千葉大学大学院融合科学研究科

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ナノサイエンス専攻

教育目標

理学部・工学部・園芸学部の3基幹学部の強力な支援と,文学部および他の学内研究センター協力の下に,「ナノ物性コース」と「ナノバイオロジーコース」の二つのコースにより教育研究を推進する。ナノスケールで応用性のある物質系のデザイン・創製・特性化を行う「ナノ物性コース」と,重要な生命機能と構造をナノスケールの計測法あるいは研究手法によって教育研究する「ナノバイオロジーコース」は互いに密接に関係している。このため,相互のコースの教育科目を自由に履修することを奨励する。本専攻ではグローバルCOE研究教育拠点分野に関連する研究,さらに,学部教育における先進科学プログラムの人材育成理念など,千葉大学の特徴を反映し,さらに国際性の育成をも目指した教育研究を実施する。これらによって,深い基礎学力に加え,異なる分野を拒絶しない柔軟な価値観と国際性をもった人材の育成を目指す。また,前期課程・後期課程を通じた系統的かつ柔軟な特徴あるカリキュラムによって,上記教育理念を実現する。

(1)ナノ物性コース

コースの概要

20世紀後半から環境,バイオ,ナノテク分野などが急速に発展し,確固とした基礎知識をもち,かつ,関連分野に進出できる人材の育成が求められている。特にナノテク分野においては,原子,分子レベルの物質構造制御に加え,ナノ領域の電子/スピンの量子効果,ナノ構造を利用した物性のエネルギー応用に関する研究開発が産業界でも求められている。さらに単一の分子を用いた分子デバイスの開発も加速されている。また,高度な物理学的・物理化学的手法による単一分子あるいは原子レベルでの研究は,デバイスだけでなく,整体関連分子の研究とも関連する。このように物性物理学,物性化学,デバイス物性など従来の学問を基礎としつつも,その枠組みを超える分野が急速に発展・拡大しつつある。

本コースでは,これらの発展を担える専門学力,広い視野・柔軟な価値観,さらに国際的活動力を持った力強い人材を育成する。外国人研究者などによるコース共通の国際・融合領域特別講義,海外での研究経験を国際研究実習として単位化するなどによって国際性を育むことができる。

教育プログラムの骨子

本コースでは,原子・分子のナノスケールの修飾・制御により,超高集積で高機能なナノスケール素材や素子の創製,高効率かつ高機能なナノスケール技術やシステムを創出するためのナノテクノロジーを推進するための基盤科学の教育を行う。

教育プログラムの特徴

ナノスケールのサイズで特徴的に発現するさまざまな現象の物性物理学,物性化学および電子・光デバイス物性に関する教育,さらに分子スケールの表面・界面の電子・光物性の教育を行う。これらに関連する世界レベルの研究を実施し専門性を高める。また,国際的活動を経験する科目の履修を通して国際性の育成を行う。

博士前期課程の特色

博士前期課程では,物理学,物理化学,電子デバイス基礎論などナノサイエンスとナノテクノロジーに求められる基礎学問の修得を中心とする。新分野創成にむけて,異なる学問分野の学習や高度な研究に関する外国人等による講演に参加する機会も提供する。また留学生を対象に大学院教育をすべて英語で行なう「ナノ・イメージング国際融合プログラム」が設置されている(http://www.nd.chiba-u.jp/yugo-index.cgi)。

博士後期課程の特色

博士後期課程では,物理学,物理化学,電子工学基礎論に関する高度な研究の基盤となる学生参加型の講義を中心とし,特に国際的活動を強化する科目の履修を行う。新分野でありながら基幹領域であることに鑑み,他の専攻・コース以上に異分野の基本の履修を容易とするカリキュラムを設けている。また,国際的研究活動への参画を積極的に奨励して,現実のナノサイエンス・ナノテクノロジー分野の成長と発展過程に加わりながら,能力を伸ばすことができる点が特色である。さらにグローバル COEプログラムと連携した「先進国際プログラム」に先進国際コースも設置されている(http://www.gcoe.tf.chiba-u.jp/)。

 

(2)ナノバイオロジーコース

コースの概要

分子生命科学の本質はその遺伝情報にあるが,この設計図から例えばヒトの個体が形作られ,その機能の恒常性が維持されている。このためには精密な遺伝情報の発現制御と,個体を取り巻く環境の変化情報を察知し生物システムを変化させて行く機構が必須である。これらの機能について,細胞を構成するタンパク質,核酸,糖鎖等の生体構成高分子レベル,細胞レベル,多細胞集合体である動物や植物レベルの各次元での生物機能の発現制御について総合的に学ぶコースである。またナノ物性コースと密接に連携して,新しいナノ計測法等の修得を容易にしている。

教育プログラムの骨子

分子生命科学の本質である遺伝情報の基礎的領域と植物科学,生命化学系を基礎とする園芸学関連の応用的領域を複合化した教育プログラムである。そのために基礎と応用の両視点を有する人材養成が可能なカリキュラムを提供する。

教育プログラムの特徴

ナノ物性コースと深く連携してナノサイエンスとナノテクノロジーの手法を積極的に修得し,生物系に応用展開しやすくしている。博士前期課程では幅広い視野の育成と,生命倫理の修得を特徴としている。またインターンシップやベンチャービジネス論等を活用して産学連携の活性化に努める。国際化対応としては英語による専門プログラムを設けている。博士後期課程では,高度な専門技術者・研究者の育成を目指している。

博士前期課程の特色

博士前期課程(修士課程)では,理学部生物学科と園芸学部応用生命化学科の基礎教育を基盤として,基礎から応用に至る分子生命科学分野の基幹を構成し,ナノ物性コースの授業履修を奨励してバイオテクノロジー分野での研究開発や問題解決能力の高い人材の総合的育成を目指す。同前期課程では,理学研究科・地球生命圏科学専攻・生物学コースおよび園芸学研究科・環境園芸学専攻・生物資源科学コースとの有機的連携を活用して教育内容を充実させている。

博士後期課程の特色

博士後期課程では,主に博士前期課程(修士課程)からの進学者や,学外からの当該分野への志願者を中心に,分子機能制御科学・分子生命情報科学・生体機能科学・分子生体機能学・植物分子生理学等の分野を中心に生命科学の総合的な教育研究を行う。基礎と応用の両分野の融合的教育によって,広い視点を持つ挑戦的人材を育成する。